読書

槍ヶ岳開山(著 新田次郎)、一心不乱であれ

投稿者:chikunai 投稿日時:2012-07-19(木) 02:28

登山が趣味に加わったので、またまた登山の小説を購入してみました。

日本で五番目に高い山、槍ヶ岳に初て登頂し、登りやすくするために、一心不乱に修行した僧侶の話しです。

時代は江戸時代末期。米の不作を理由に農民が起こした一揆に巻き込まれ、過って妻を殺してしまったことから、主人公 播隆(当初は岩松、岩仏と呼ばれる)は出家します。

周りには、同じ仕事をしていて性格がしたたかな与三郎、一揆の主犯の息子で出家した徳助、事業に意欲的な椿宗和尚など、個性的な人物が顔を揃えます。

妻を殺してしまったという良心の呵責に苛まれ、最後に見せた苦しい顔を乗り越えるために、自信に厳しい修行を課している姿は、心うたれます。

あまりにも話しがうまく行き過ぎな感じはありますが、多くの人が播隆の姿に心打たれます。

いつしか上人と呼ばれますが、上人ってあんなに簡単につけていいのか疑問です。

高熱隧道(著 吉村昭)、日電歩道に行きたい。

投稿者:chikunai 投稿日時:2012-04-01(日) 21:54

登山が趣味に加わったので、登山の小説を購入してみました。

昭和11年、まだ人が踏み入れる事の極めて少なかった秘境 黒部。黒部の太陽よりも、もっと古い時代です。

日本は戦争に邁進していたためか、国全体の電力需要の高まりから、水力発電所の建設が決まります。その水力発電用のトンネル掘削工事が舞台です。

100度を越える高熱の岩盤。1時間も作業していられない暑い作業環境。高熱の岩盤のせいで、ダイナマイトが自然発火。死者が日に日に増える。

冬は、泡雪崩によるコンクリート宿舎の崩壊。人間がいかに弱く、自然の驚異に、トンネル工事がことごとく跳ね返されます。

それでも国策という大義名分で、300人を越える死者を出しても続けられた、稀にみる難工事。命を金で買ったデスマーチのプロジェクトです。

達成したが、ハッピーエンドとはいえないだろう。最後は、責任者が作業員の信頼を失うあたりは笑えない。本当にありそうで。

親愛なるSL様へ、よかったね。心より。

頑固で一途なだけど、12歳の子供に限界はある。しかし、昔のような温かな家庭、家族の絆の回復に向けて、果敢に挑戦し続けるところに心打たれ、大人の読者は応援したくなる。

SLの家族の背景は、長男の失踪(殺人)、親の離婚、そして貧困。それにより、気難しい祖母、長男と比較されるSL。被害者の家族である。

複雑な家庭環境は、人をあそこまで動かすものなのだろうか。家庭環境って大事だ。

神様のカルテ(著 夏川草介)

投稿者:chikunai 投稿日時:2011-08-18(木) 11:05

電子書籍で読了。

ほのぼのとした若手医師の日常と青春を描いた作品でした。

夏目漱石の草枕の文体に似せているせいもあってか、どのキャラクターも個性的に見える。騙されてる?

面白く個性的な男性陣に対して、可愛らしくしっかりした女性達が際立ちます。

読んでて、医療現場は大変そうですが、最後ほっとしました。

でも、なぜこの作品が本屋大賞ノミネート?

星の王子さま(著 サン=テグジュペリ)

投稿者:chikunai 投稿日時:2011-06-03(金) 21:58

大人は数字好き、大きいとか、広いとか、比較できる数字が大好き。

大切なものは目に見えない。

王子さまの可愛らしい話しと思いきや、大人な社会生活に慣れた大人に、ぐさっと突き刺さる言葉ばかりだ。

数字の話し、 RDBMSのid列嫌いの思想に似てる。コッドもセル コも、この絵本の影響を受けているのか。

SF小説中のSF小説と名高い「星を継ぐもの」を読了しました。

表紙から想像する宇宙船が飛び交うような戦闘シーンは、まったくありません。期待していたのですが。しかし、その想像を超える物語でした。

月面に基地が設置出来るほど進んだ近未来。月面の洞窟に、どこの国ともわからな人間が発見された。この人間は何者か。謎が深まる。

内容に科学的な破綻は無いように思える。話しか進むにつれ、ビックリするような事実を発見し解決したと思ったら、さらに謎が深まる。

最後は圧巻の結末だった。あの時計を捨てちゃうなんてもったいない。

しかし、彼らの誕生の起源は、どこなのだろうか。その謎だけ残る。

新世界より(著 貴志 祐介)、からさらに新世界へ

投稿者:chikunai 投稿日時:2011-05-08(日) 22:57

どこかのブログで、面白いSF作品として上がっていたので、手に取ってみました。

上巻の前半は、和製ハリーポッターか、と思うような、ほんわかした少年たちのストーリー。

と思いきや、某電機メーカー製のミノシロモドキ登場から急展開する。今まで何も語られてこなかった反動から、雨が降り注ぐぐように一気に情報が得られたので、一気に世界観に引き込まされた。

つじつまあっているのか?と考えさせられる暇もないくらいに。 うまい。

そして、この世界が実は監視社会であることが、徐々に明らかになっていく。

高度な社会と思いきや中世、悪鬼と業魔の存在、大人達の行動、ねこの噂。さらに、著者による残虐な殺戮の描写、同性愛を推奨した世界観、どれも不気味だが、読むのを止められない。

業魔がついに登場。上巻では、まったくよくわからなった驚きの事実を知る。そして、また何事もなかったかのように平穏な暮らしに戻れた。と一息つけたと思い、勢いが落ち着いたと思えたところ、新たな展開。引き込まれまくりです。

電子書籍で読了。

5人の個性的なキャラクターが織り成す大学生活の話しです。砂漠と見立てた社会人になるまでの、バカな大学生活と思いきや、ひょんな事故から5人友達の歯車が大きく歪む。そんな中でも、モテない男 西嶋の奮起する姿に心癒される作品だ。

チルドレンに恋愛と、事件を足した感じ。物語としてはチルドレンの方が好みだ。しかし、西嶋というキャラクターは最高だ。

西嶋に彼女ができてよかった。ほんとによかった。大事なので、二度と書きました。彼女が誰かは本作品を最後まで読むように。

砂漠に雪を降らそう。きっとできる。

これはSFか?

平和な日本を舞台にした創薬活動と、アフリカの紛争地域を舞台にした諜報活動。この何の関わりもなさそうな二つの舞台が、いつしか一つに繋がり、怒濤の展開から読者を作品の中に引き込ませます。

手に汗握るエンターテイメント作品でした。ハリウッド映画化しても遜色のないできです。ハリウッドはオリジナリティのある脚本が不足しているので、水面下では狙っているのでは。一部歴史観はビミョーではあるが。

IT業界の人間としては、あのハッキングはないよなー、です。映画インディペンデンスデイのようになんでもありなシーンばかり(笑)。コンピュータウィルスにしろ、ハッキングにしろ、世間からは認識しがたく、イメージとしてはどうしても、このようなものになってしまうのは、しかたがないか。

創薬はまったくよくわからないが、試行錯誤がよく伝わった。こんな早くに新薬できていいのか?そこがSFか。

伊坂幸太郎の短編集。電子書籍版で読了。

何度読み返しても飽きない作品。個性的なキャラクターが織り成す、トラブルあり、癒しあり、のストーリーです。

どの短編も面白いが、チルドレン2の陣内、すれ違う父と子、教授と不倫相手は実は、のストーリーが好きだ。

世のお父さんは、家と会社の行き帰りだけじゃない!私もかっこよくありたい。

それにしても、伊坂幸太郎の作品は、実際に会ってみたくなる強烈なキャラクターが良い。

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